zenioのゲーム記録

自分用ゲームプレイ日記

【レビュー】SnowRunner

これは人を選ぶ大傑作だ。

アップダウンの激しい山中や湖沼の中、泥濘や新雪の中をオフロードカーで掻き分け、這いずり回り物資を届けて経験値と金を稼ぎ、新しい車やカスタマイズを購入し、さらに深い泥の中に突っ込んでいくゲーム。

 

www.youtube.com

 

デフロックとかマッドテレーンタイヤとかそういうワードにピンとくる人なら間違いなく買い。MadRunnerという前作も存在するが、操作性とかオープンワールドの復興要素とか、色々良くなっているので本作が今のところ一番おすすめ。

 

さて、このゲームのどこがそんなに傑作なのか語る。

世の中にはクロスカントリー(通称クロカン)という車のジャンルがあって

例えばベンツのGクラス

f:id:opportunist:20201211154836p:plain

Gクラス

JEEP ラングラー

f:id:opportunist:20201211155327j:plain

トヨタ ランドクルーザー

f:id:opportunist:20201211164828j:plain



スズキ ジムニー

f:id:opportunist:20201211160226j:plain

 

などなど。現在流行中のSUVの源流とも呼べるジャンルで、この車の用途は「クロスカントリー」の名前の通り、国境の道なき道を走るような、悪路走破性を重視した車を指す。ヘビーデューティでカッコいいので、街中でしか乗らない人でもファッション的に選ぶことが多い車種でもある。

 

一度は自分の車でハードなオフロードを走破してみたいと考えるクロカンユーザーも多いはずだ。だが、オフロードでは車に傷がついたり壊れたりは日常茶飯事だし、オフロード仕様のカスタムをするにはそれなりに金もかかるので、なかなか実際にやる機会はない。それどころか切り替え式の4駆モードさえ一度も使わない人も多いらしい。オフロード走破のためのロマンあふれる大層な機能がクロカンにはいろいろあるのに、使う機会がないのである。

 

そんな機能をフル活用しながらオフロード走ってみてえ!という夢を叶えてくれるのがこのSnowRunnerだ。世の中にスピードを競うレースゲームは数あれど、泥濘や新雪の中をローギアでちんたらデフロックやウインチを駆使して這いずり回るようなゲームは他にない。ゆえに本作は傑作なのである。

 

ゲーム開始後にプレイヤーに支給される車がこちら。

f:id:opportunist:20201211162319j:plain

シボレーCK1500、ピックアップトラックである。

洋画でよく見るゴツくてカッコいいけど日本のどこで使うんだというようなロマンの塊、ピックアップトラック。さらに写真の右下を見てほしい。AWDとデフロックというインジケータがそれぞれ表示されている。

AWDは全輪駆動で、この車は二輪駆動と四輪駆動がオンオフ切り替え式のパートタイム4WDなのである。フルタイム4WD全盛の時代において、パートタイム4WDの無骨な道具感が実にいい。かっこよすぎる。

その上、カスタムパーツとして切り替え式デフロックがついている。(初期状態ではついていない。ゲームを進めてカスタムパーツを発見する必要がある)

デフロックというのはディファレンシャルギア(通称デフ)をロックする機構のことで、デフというのは差動装置のことだ。車が曲がるとき、左右のタイヤは内輪と外輪として回転数に差が生じる。そのため、左右のタイヤが一本のシャフトで直結されていると、左右のタイヤのどちらかがスリップするためスムーズに曲がれないなど、問題が起こる。そこで、このデフが左右のタイヤのシャフトの間に入り、左右のタイヤの回転のズレを吸収数することでその問題を解決する。

という非常に重要な機構なのだが、一つ弱点があって、片方のタイヤが地面から離れるなどして空転してしまうと、デフの機能でエンジンから伝わるトルクが全て空転している側のタイヤに逃げてしまって、もう片方のタイヤにはトルクが伝わらないため車が動けなくなってしまう。これは凸凹の悪路ではよくあることで、そのため、このような場合にデフを無効にする機構がデフロックだ。LSDという同様の機構も存在するが、LSDは複雑な機構でそれなりに高価な貴族の嗜みのようなものなのでこのゲームには登場しない。このゲームには無骨なものしか登場しない。

 

デフロックの偉大さはこちらの動画を見ていただきたい。

 

対角線上の前輪と後輪がそれぞれ浮いて空転してしまっている「対角スタック」という状態でトラックが立ち往生しているが、デフロックを有効にした瞬間ズルズルと前に進みだすのがお分かりいただけただろうか。このゲームは対角スタックからデフロックで脱出するという体験ができる唯一無二のゲームなのだ。

  

ちなみに散々クロカンについて語ったが、クロカンはこのゲームにおいては探索や偵察などの補助的な要素に用いられるもので、主役はトラックによる物資輸送だ。これがまた楽しい。まずほとんどのトラックがボンネット型という点!

 

f:id:opportunist:20201212102310p:plain

日本でよく見かけるのはエンジンの直上に運転席が設置されているキャブオーバー型だが、やはりカッコいいのはボンネット型である。これだけでもカッコいいのに、さらにクレーンが積めるんですよ!!

 

 こんなの嫌いな男の子がいるわけがない。

あとヘッドライトつけたときなんかも旅情があってよい。

テールの赤いランプが川に反射してるのもいい。

さらに有料DLCを購入するとこのKhan 39 Marshallが手に入る。

f:id:opportunist:20201212103155j:plain

Khan 39 Marshall

賢明な読者諸氏はすでにお気づきのことと思うが、コイツはロシア製SUV「UAZ Hunter」の軍用モデルなのです!!!!

f:id:opportunist:20201212104440j:plain

ロシア製SUV UAZ - Hunter

このオシャレさと無骨さが同居したロシア車らしからぬ洗練されたフォルム。かっこいいですがもともと80万円くらいなのに輸入すると400万円くらいかかるうえにしょっちゅう壊れるというロマンの塊、UAZ-Hunterです。こんな車に乗れるゲームが他にあるでしょうか?

 

というわけでSnow Runnerは傑作です。