【レビュー】Outward
プロモーションはスカイリム風だが、ゲーム的にはダークソウル風アクション&サバイバル要素多めのオープンワールドPRG。世界をうろうろしながらクエストを見つけてこなしていく様式ではなく、明確なメインシナリオに沿って進む形式で、序盤で三本に分岐する形になっている。
特色は以下の三点。
・自キャラにレベルアップ等の成長要素がほとんどなく、装備もそこまで強くなく、主にプレイヤースキルと知識でなんとか強い敵を倒していくハードコアな戦闘
・飢えや渇き、不眠等の要素があり、適切な食事、水、睡眠、そして温度管理を要求されるサバイバル要素
・そしてファストトラベルがなかったり地図に自分の位置が示されなかったり、時間切れ即失敗のクエスト(の割にマップ移動で多大な時間を浪費させられる仕様)というリアル寄りの徹底的な不便さ
まず戦闘のシビアさに関しては非常に面白い。再序盤のザコ以外には力押しが全く通用しないので、適切に準備を行い、試行錯誤しながら弱点を見つけて強敵を倒せるようになっていくのは楽しい。
サバイバル要素は実際にはそれほど厳しくない。水と食料の入手は容易だし、だいたい睡眠もどこでもテントを張って寝られるので、フレーバー的な要素にとどまっている。食事で得たバフで有利になったりするので、ここも色々戦略を考える余地があってよい。砂漠での暑さだけはそれなりに面倒。
問題なのはリアル寄りの不便さの部分。とにかく移動にクソ時間のかかる仕様や時限クエスト、食品の時間経過による腐敗、こういったリアリティを出すための不便さが試行錯誤を楽しむゲームデザインと完全にミスマッチを起こしている。特に時限クエストなどは死んだら即イチからやり直しのリプレイ性が高いゲーム(例えばローグライク)でやることであって、長中編RPGでやることではない。
というわけで残念ながら良い素材に過度なスパイスをぶっかけすぎて失敗した料理のようなゲームになってしまっている。が、食品の腐敗とかファストラベルはModで改善できるので、PCでプレイしているならMod導入がおすすめ。コンシューマー版ならご愁傷様です。
自分はイベントの時間制限がどうにも楽しめなかったのでギブアップ。
惜しいゲームだった。