【レビュー】Factorio
見下ろし型2Dマップで描かれた荒野の惑星で鉄、銅、石、石炭、石油を採掘し、これらをクラフトして新たな素材を作りだし、最終的にロケットを飛ばすことを目的としたゲーム。
めちゃくちゃ面白い。 間違いなく歴史に残るゲームである。
サンドボックスでクラフトしながらサバイバルするゲームは珍しくない。
このゲームの売りは「自動化」である。ゲームクリアのためのロケットを飛ばすために、膨大な量の素材を複雑な手順で加工する必要がある。これらをすべて手作業で行おうとすると、数千時間かけてマウスの1~2個は使いつぶすことを覚悟しなければならない。
そういう作業が楽しい人はそれでもいいが、普通の人にとってはただのクソゲーなので、これらのクラフト作業をすべて自動化されたラインに置き換えて行うことができる。このライン構築作業こそがこのゲームの全てである。
全然面白そうに見えない上に汚い生産ラインで恐縮だが、こういう感じの工場を作って遊ぶゲームである。
銅鉱山と鉄鉱山から鉄鉱石を発掘して鉄道で工場まで輸送し、工場内に並べた炉へコンベアで運び、インサータをで精錬して鉄板、銅板に加工したものを画面の左からこのラインへ送り込んでいる。
そしてこのラインでそれらの素材を銅線や基板や研究用のリソースに変換してテクノロジーを研究し、新たなクラフト品を解放していく。
ライン設計をミスしていると間違った素材でコンベアが詰まったり、素材の生産バランスが崩れてラインが止まったり、新たな素材が必要になった時にもう生産ラインに空きスペースがなかったり、なかなか自動化と言っても一筋縄でいかないところに面白さがある。
しかしこのゲームの奥深さはそんなレベルではない。別にロケットを飛ばすだけなら必要のない「論理回路」という概念があるのだが、これがやたら凄い。
例えばある箱の中にあるアイテムの数をカウントしてこの数を電気信号としてネットワークに流すことができる。この変数を四則演算する算術回路や、プログラムのIF文のように変数が一定の条件を満たしているときだけ接続された機器をオンオフする条件回路など様々なアイテムを使って工場内の加工機やインサータをさらに高度な制御下に置くことができる。繰り返し言うがこの機能、ゲームクリアには全く必要ない。
また、ユーザーが公開している様々なModでゲームにアレンジを加えることも可能で、やりだすと年単位で遊べてしまうだろう。