zenioのゲーム記録

自分用ゲームプレイ日記

【レビュー】ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

 

ドラゴンクエストシリーズナンバリングの第11作目。

ドラクエ1から30年、記念碑的な作品と言える。

 

プレイしたのはPS4版で、80時間で全クリア。

過去のドラクエシリーズを期待していたファンにとっては期待通りの作品と言えるだろう。ただ、ドラクエシリーズはナンバリングのたびにそれなりのチャレンジとも言える要素を入れ込んできていた(4の章分け、5の仲間モンスター、等々)が、11にはそれらしい要素はほとんどない。ゲーム、戦闘システム的にはなんの目新しい要素もない。

 

オールドゲーマーのニーズを汲み取った優れた商品だとは思うが、反面新しいチャレンジもなく、新しい刺激に飢えた現役ゲーマーには物足りない。

 シナリオ・演出面に関しては中盤以降は良い出来。ゼシカの乳しか記憶に残っていない8やプレイしたかどうかさえ思い出せない9と比べれば、ストーリー、キャラクター共になかなか印象深い。ぬるい展開が続く序盤が長過ぎる感はある。

 

ゲームバランスは非常にカジュアルで、ダンジョンの中でさえ最初から地図で地形が見えている。シンボルエンカウントなので、敵を徹底的に避けて進むことも可能。ボス戦前には大体無料全回復可能なセーブポイントが用意されている。戦闘においてもエンドコンテンツ以外では工夫が必要とされるシーンはほとんど存在しない。バイキルトルカニをかけて回復しながら一番強いキャラで殴ればほぼ全クリまで一直線。ただ単純な分だけそれなりに苦戦した感が味わえるバランスではある。

 

BGMや演出の面では、ファミコン時代のドラクエをプレイしているオールドゲーマーには特に感慨深い演出が特に終盤に見られ、ある意味ユーザーニーズを的確に掴んでいる。LGBTへの配慮が見られる部分も多々あり、時代を感じさせる。

 

UIはこなれてはいるがどうぐを袋から出し入れするのが多少煩雑だったり、AIがドラクエ4時代に毛の生えた程度の賢さなのは惜しい。せめてAIは現代の進歩したゲーム制作技術を感じさせるものであって欲しかった。コマンド入力が面倒。

 

AIについてもそうだが、全体的に完成度において詰めの甘さが目立つ。

例えばボウガンは全く要らない要素で、なぜテストプレイで削除すべきという結論にならなかったのか。ボウガンの誤爆が厄介だしマップ攻略のギミックにさえ絡んでこないし、ボウガンアドベンチャーはつまらない、賞品もしょぼいと蛇足の極み。

馬レースもゴミ。動かしていて気持ちよくないレースゲームは苦痛でしかない。FF7スノーボードくらい作り込む気がないならこの手のミニゲームは導入すべきではない。

ムービーの仕様も酷い。装備による見た目の変更がムービーに反映されないようなゲームをまさか2018年にもなって目撃することになるとは思わなかった。

 マルティナもムービーであれだけ華麗な蹴り技を披露しておいてなぜ装備可能武器が爪と槍なのか。開発者の思考回路が理解できない。

 

ドラクエのナンバリングでこうも手抜きが目立つのは残念極まりない。