【レビュー】Into the Breach
ローグライト+2Dマップ型SLGというありそうでなかった独特ジャンルゲーム。
大ヒットインディーゲーム「FTL」を開発したメーカーの二作目。
なぜかItBではない。
見た目はレトロゲーで、メインとなるシミュレーションゲーム部分もマップ上のユニットを指定して、移動して、攻撃するという大戦略シリーズで馴染みのある形式ながら、以下の特徴が独特のプレイフィールを作り出している。
・自軍ユニットは3機、1マップの戦闘は5ターンで終了。この短い戦闘をクリアまで繰り返す。
・戦力的には敵軍が圧倒的に優位だが、自軍は5ターンの間オブジェクトを守り切れば勝ちで、次ターンの敵の行動が事前にわかるようになっている。
・攻撃による破壊だけではなく、敵を強制的に移動させるアクションなども駆使してダメージを受けずに凌ぐことが必須となる。
このゲームの醍醐味は、どう考えても無理という状況を閃きによってノーダメージで切り抜けることができたときだろう。この快感はパズルや詰将棋を解けたときに近い。短いスパンでこの快感が得られるので、プレイがダレることなく中毒性も高い。
リアルタイム要素は全くないので、一手一手を熟考しながらプレイできるのも魅力。
プレイ時間52時間で全実績を達成してクリア。
ヘボゲーマーなので、難度easyで全スクアッドをクリアしたのち、カスタムスクアッドを使って最高難度をクリアした。
ポイントはパイロットの選定で、ぶっちゃけ被ダメ-1の特性を持っているAbe Isamuが最も強い。ほぼ一択状態。
ただし、Cryo-Launcherという自機と敵ユニットを同時に凍結させて行動不能にする武器が存在するが、シールドを貼った状態でこれを撃つと、自機は凍結せず敵にユニットだけを凍結させられる。しかもシールドは剥がれない。シールド持ちのパイロットBethany JonesをIce mechに載せると、この状態を無条件で開幕からすべてのマップで作り出すことができるので、ゲームバランスを壊す勢いで強い。
なんせ、相手のライフが何ポイント残っていようが確実に1ターンで1ユニット処理できるうえに、守りたいオブジェクトを凍らせて被ダメを防いだり、行動を阻止したりなど、使い道が広すぎる。最高難度のクリアはこれを利用した。
ただ、このゲームの面白さは強いシナジーを見つけることよりも、用意されたスクアッド(固定された三機のユニットの組み合わせ)の特性を活かしながら戦うことだと思う。新しいスクアッドを開放して使ってみるたびに、なんじゃこの弱さは、となるのだが、特性を理解して立ち回りを工夫することで意外な強さが発見できたりなど、なかなか飽きさせない。