zenioのゲーム記録

自分用ゲームプレイ日記

【レビュー】Civilization6  拡張パック『Gathering Storm』

 

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いわゆる4Xゲームの代表作として、本シリーズは歴史の教科書に載せるべきレベルの作品である。ランダム生成されたマップに置かれた複数の文明のうち1つを操作し、開拓、発展させて時には他の文明と争い、複数ある勝利条件を最初に達成することを目指す。リアルタイムではなくターン制で、戦争による制覇勝利以外の様々な勝利条件が用意されていることが特色である。

 

 動画はCiv6のもの

 

 

そもそもCivilizationシリーズ(以下Civ)は4作目にあたるCiv4がゲーム史上に残る傑作なのだが、今やるには少々グラフィックもUIも辛い、ということで次善のCiv5が妥協でプレイされていることが多い。というのが個人的な意見だが、多分シリーズを継続してプレイしている人は少なからずそう思っているのではないだろうか。

 

ちなみに妥協とかいいつつ、Civ5はsteamの中では断トツのプレイ時間を誇っている。Civ4が傑作すぎるだけで、Civ5だって滅茶苦茶面白いのである。

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そういうわけでより4に近づき、それを超えることを期待されていたのがCiv6である。シリーズの伝統として、拡張パック2つがリリースされるまでは凡作というのが恒例だが、Civ6も例にもれず、バニラ版では凡作だった。それが「文明の興亡」「嵐の訪れ」の二つの拡張パックを加えてどうなったか?

 

結論としては、Civ5の不満点は解消されているものの、マイナーチェンジにとどまっている。良くはなっているので、今からプレイするならCIv6の拡張パック2つ入りがお勧め。

 

あと、Civシリーズはプレイする人や回によって展開が全く異なり、他人のプレイレポートやプレイ動画が非常に面白い。漫然とプレイしているだけでは気が付きにくいコツや定石も学べるので、普段他人のプレイ動画を見ない人にもお勧めしたい。

  

  

Civ5と比べて劇的に変わったと思われるのが、多都市戦略の優遇である。Civ5では都市を数多く出せば出すほど、新たな技術の研究に必要な科学や文化のポイント量が増えた。そのため、好立地に限られた数の都市を出して戦う少都市戦略が成立したのだが、Civ6ではこれらの都市数ペナルティがなくなったので、都市を出せば出すほど強くなり、技術や文化の進化も早くなる。少都市戦略にはほぼ採用の意義がなくなった。

 

Civ6の拡張パックで追加された内容も、おおむねこの流れに沿っており、漫然と領土を広げていくにあたって障害となる忠誠心システムや、他文明の首都や都市国家を征服することによって全文明から攻撃対象とされる緊急事態システムなどが導入された。

 

 Civ4までは戦争に戦術がほとんど必要なく、ユニットのデススタックを組んで数の暴力で圧殺するゲームだったので、高難度ではCPUが圧倒的に強かった。Civ5からはスタック制の撤廃と遠距離攻撃システムの採用によって、CPUが非効率な軍隊の運用を行うため戦争においてはプレイヤー有利となった。Civ6では限定的にスタック制が復活しているが、戦争のプレイヤー有利は変わっておらず、軍事力に任せて他国を蹂躙していく脳筋プレイが有利となっている。

 

Civは基本的に戦略のゲームであって、細かい部隊の運用であるとか、傑作の配置換えによるテーマ化であるとか、宗教ユニットを手動操作して宗教戦争とか、このような戦術レベルのコントロールをプレイに要求されるようなゲームシステムはゲームそのもののコンセプトにそぐわないと思っている。Civ5は完成度は高いが、そもそものコンセプトからぶれたことをしているのでCiv4に及んでいないと思うのだが、Civ6でもその方向性は修正されておらず、製作側はこれでいいと考えているのかもしれない。だとすると残念な話だ。